興行にCM出演も 松本幸四郎が父から継いだ“高麗屋の自覚”
歌舞伎役者の10代目松本幸四郎(45)が12日、都内で行われたキリンの新ジャンルビール「本麒麟」の新CM発表会に登壇した。CMは江口洋介(50)が幸四郎の楽屋見舞いにやってくるというストーリー。ビールの感想を聞かれて「伝統を今の時代に受け入れられるように進化させていくには覚悟と思い切りが要る。まさに歌舞伎と同じです」と語った。
幸四郎は1月に父の松本白鸚(75)、長男の市川染五郎(12)と共に3代同時に襲名、歌舞伎座での2カ月間の襲名披露興行を終えたところ。女形もこなす細面が、この日は珍しく声はガサガサ、やや顔がむくんでいるように見えた。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「2カ月の興行を終え、贔屓筋や後援会の方々へのお礼参りや食事会などで忙しい時期。4月から名古屋の御園座の興行も控え、集中的に挨拶回りをして疲れが出ているのかもしれません。それより幸四郎さんがCMに出演することは非常に珍しいこと。子供の頃からバカがつくほどの歌舞伎好きで役者以外の仕事はほとんどしない方でした。今までは父の白鸚さんが広告やテレビ出演を請け負っていましたが、今回“3代同時襲名”とあって、幸四郎さんも奮闘しているのでしょう。CM出演は、長期間露出するので集客にも貢献しますし、ファンが喜ぶだけでなく、裾野も広がる。もちろん高額のギャラも入るので一石三鳥以上です」
高麗屋の一大行事のために仕事をしまくりの幸四郎。2年に及ぶ襲名披露で父・白鸚から受け継ぐのは名跡だけではないようだ。