山口達也「メンバー」呼び ジャニーズへの忖度報道の原点
「山口メンバー」という言葉に違和感を覚えながら、女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検されたTOKIOの山口達也(46)の騒動を見ている人も多いだろう。
○○メンバーは17年前に、稲垣吾郎が道路交通法違反と公務執行妨害で逮捕(不起訴)された時に「稲垣容疑者」「稲垣被疑者」と言わないようにするためにひねり出された呼び方。テレビをはじめとする多くのメディアによる「稲垣メンバー」の“大合唱”は失笑を買ったが、これは「忖度」と騒いでいるメディアのジャニーズ事務所への究極の“忖度報道”だった。
当時、SMAPを擁するジャニーズ事務所は隆盛を誇り、芸能界における“1強”時代に向けてまい進中、盾突くことができない時代だ。稲垣の会見の時は、CULENを設立して元SMAPをマネジメントする飯島三智代表が仕切って睨みを利かせていた。飯島代表にしてみれば、「あの時と同じ手法?」という思いに違いない。
稲垣と山口を比べてみると……。
稲垣は現行犯逮捕で逃亡の恐れがないことから2日後に釈放されたが、普通なら「容疑者」「被疑者」。一方の山口は逮捕はされず、相手と示談が成立、書類送検された後(起訴の可能性も低い)。山口とか山口さんと言うのも嫌か変だから「山口メンバー」になったのかもしれない。ただ、響きとしては逮捕された「稲垣メンバー」みたいな印象が強い。
言ってみれば、SMAPの“置き土産”のメンバー呼ばわり。メディアの忖度は弱まったにせよ行き届いている点はかつてと同じか。