「ツイン・アース」小森陽一著
「ツイン・アース」小森陽一著
フィンランドのオーロラ研究者・アイノが、観測中、これまで見たことがない規模の「ブレークアップ(崩壊現象)」が出現。オーロラが激しく揺れる中、アイノは東の空に1カ所だけ光が揺らいでない場所があることに気づく。理論上はそこに巨大な質量を持つ何かが存在するはずだが、ありえない。
所長の熱川の許可を得て、その正体を突き止めるため調査を始めたアイノは、同じ夜に録音した宇宙の音「コーラス波」の周波数を数値化した数字が、座標を示していることに気づく。それはインド洋の「重力の穴」と呼ばれる場所だった。その重力の穴まで出向き、海中に潜ったアイノは、光に包まれ、別世界にたどりつく。そこは住人たちが「Terra-α」と呼ぶ地球の双子星だった。
徹夜必至のSF長編。 (集英社 913円)