“フジテレビのドン”日枝久氏 取締役退任後も求められる説明責任…スポンサーなお「院政」警戒
元SMAP中居正広氏(52)の女性トラブルから始まった一連の騒動は、ついに「ドン」の退場に発展した。フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は27日の取締役会で日枝久氏(87)がフジテレビとFMHの取締役を退任すると発表。取締役の若返りを図り、過半数を社外から登用、女性比率は3割以上と刷新人事を猛アピールしたが、報道陣の質問はドンの処遇に集中した。カメラの前で日枝氏が説明責任を果たさないまま、果たしてスポンサーは戻ってくるのか。
取締役会終了後に取材に応じたフジの清水賢治社長は、スポンサー数について問われると「3月25日時点で約100社となっているので少し、微増しました」と説明。2月25日の時点では取引企業・団体の数は72社としていた。ただ、10時間半に及ぶ“ロングラン会見”前の出稿企業・団体数は430以上。まだ約8割以上がCM出稿再開を決めかねている状態だ。
本紙が入手した広告代理店の資料によれば、4月以降のゴールデン・プライム帯(午後7~11時)で出稿再開を決めているのは、「サザエさん」の西松屋、「千鳥の鬼レンチャン」のアイリスオーヤマなどホンの数社。その他の約9割は「△」の態度保留で決断を下していない。日本を代表する生活用品メーカーや、大手ファストフードチェーンの中には、明確に「×」と引き続き出稿を見合わせている企業もある。
「実はネット時代になってもテレビCMの認知度効果が高いことを理解している企業が多く、『状況が許せばまたフジにCMを流したい』と思っているスポンサーも多い。それなのに一気にカムバックが進まないのは、取締役を退任した日枝久氏の“院政”を警戒しているからだといいます。週明けにも公表される第三者委員会の調査報告書や提言で、40年以上にわたりフジの取締役に君臨し、企業統治に大きな影響を与えてきた日枝氏の“関与”にどれだけ踏み込んで触れられているか。そこが一つの指針になるとみられています」(広告代理店関係者)