「藤井隆師匠」と飲んだあとは真っすぐ家に帰れなくなる
藤井 ややこしい時期なんだと思っています。あと何年かしたら突き抜けちゃってどうでもよくなっているかもしれませんが、いまはまだ「何をどうしたら認めてくださるのかな」って考えてしまいます。僕は新喜劇の皆さんに舞台を叩き込んでいただいたのに、たとえばライターさんに「舞台のご経験は?」と聞かれると、「新喜劇の経験は別なの?」って。確かに新喜劇は1週間で、ほかの舞台は1カ月とか、物理的な違いはありますが、劇場でお客さんの前に立つのは同じなので違いがないんです。
飯尾 島国日本人の素朴な質問だけど、それは海を渡っても同じなの? 藤井くんはパリとか台湾とかでもやってるじゃない?
藤井 え~っと、本当のことを言うと同じです。気分が浮ついちゃうところはありますよ。でも、東京芸術劇場でもNGK(なんばグランド花月)でもほかの国でも、僕の中では同じでありたいです。
飯尾 素晴らしい! そうであってほしいよね。野球とベースボールが違うって言われても、分からないからね。
藤井 変わっていることをやってるつもりがまったくないのですが、「キミは変わってるね」と言われてしまい、20~30代は、どうしたらいいのか迷っていました。ただ、「迷っている時間があったらどんどん新しいことをやりなさい」って言ってくれる事務所の方、プロデューサー、音楽関係の方がいてくださった。主軸がないことはコンプレックスだったりもするんですけど、いまさらやり方を変えられません。これからも「藤井にやらせてみよう」と思っていただけるように頑張りたいと思っています。