18年“見るべきドラマ大賞”は石原さとみ「アンナチュラル」
次に4月クールはもちろん、今年最大の話題作となった「おっさんずラブ」(同)だ。主人公は女性にモテない33歳の男(田中圭)。ところが、55歳の上司(吉田鋼太郎)と25歳の後輩(林遣都)から求愛されてしまう。脚本は徳尾浩司で、同性間恋愛と男たちの可愛げを正面から描いて新鮮だった。
このドラマ、深夜にわずか7話の放送ながら、SNSなどソーシャルメディアを通じて支持が広がっていった。「リアルタイム視聴率」だけを評価する時代から、ようやく録画などの「タイムシフト視聴率」を加味する「総合視聴率」の時代へと転換が始まった今年を象徴する一本となった。
■女性脚本家の大活躍と“おっさん”旋風
7月クールでは、森下佳子脚本「義母と娘のブルース」(TBS系)が熱かった。際立っていたのがヒロイン、亜希子(綾瀬はるか)のキャラクターだ。家でも外でもビジネスウーマンの姿勢を崩さない。何事にも戦略的に取り組むバイタリティーと、他者の気持ちを思いやる優しさを併せ持つ。笑わせたり泣かせたりのストーリーを通じて、夫婦とは、親子とは何かを考えさせてくれる、出色の家族ドラマになった。