ヒロシさん<4>ホストから逃げる間に書いた「ヒロシです」
芸人一本で生活できるようになった一方で、違和感にも悩まされたという。
「大手芸能事務所は芸人も多いので、オーディションに行ける数も限られているし、ライブに出られるのも限られている。とりあえずマネジャーから嫌われたら仕事はないわけで、余計な付き合いとかもある。僕はネタを仕上げるのに1カ月はかけるタイプでしたが、テレビ活動に軸を置くとそんな時間もない。芸人だからネタで勝負だろうと思っていたのですが、メジャーなお笑い市場で生き抜くには、ひな壇や司会の能力も求められます。生きづらさを感じていました」
事務所に「テレビは出ません」と伝えた。仕事は激減し、世間から「一発屋」といわれるようになった。
バイトを探しても顔が知られているからうまくいかない。精神的にも追い込まれた。
だが、現在のマネジャーに会ったのを機に、少しずつライブに出始めて、ネタ本の出版も軌道に乗り始める。2005年からは、個人事務所「ヒロシ・コーポレーション」を設立、仕事をしている。 =つづく