渡辺プロ<2>強みはグループ“一枚岩”も…お笑い部門が課題
ジャニーズが「帝国」なら渡辺プロは「王国」と呼ばれる。芸能ビジネスの先導役となっているが、時代の流れとともに変革も続けている。創設者の渡辺晋氏の持論であった「芸能プロに自社ビルはいらない」も、現在は自社ビルを持ち「ワタナベエンターテインメント」と社名を変更。2000年には分社化。2人の娘が実質経営しているが、所属タレントを見ると、変化が見て取れる。
王国の礎をつくったのが森進一、沢田研二、小柳ルミ子らの多くのスター歌手たち。しかし現在のナベプログループ全体を見ると、俳優・芸人・タレント。さらに予備校講師・林修(写真㊨)ら文化人まで多種多様のタレントが所属する一方で、歌手の名前が見当たらない。その一因と言われているのが独立問題。タレントの独立は珍しくなく騒動に発展することも珍しくないが、ナベプロも森や小柳の独立問題で揺れた。
「歌手は売れてくると自分でやっていけると自信を持ち、歌唱印税や音楽の方向性の食い違いなどで事務所と衝突するようになり、独立を考える。家族のように接してきた事務所も本人の意思を尊重し独立を許すが、シコリは残る。ペナルティーみたいな形で暗黙のうちに1年間はテレビ出演できないような不文律もあるが、次第にシコリも取れている」(音楽関係者)