まるで付き人…霜降り明星・粗品が相方せいやに尽くす理由
誰もがそのままピン芸人として“売れる”と確信していた。だが、粗品本人だけは、そうではなかった。芸人になったからには漫才をやりたいと思っていたのだ。
せいやとの出会いは、高校時代に出場した「ハイスクールマンザイ」に遡る。別々のコンビで戦ったが、粗品はせいやの面白さに射抜かれ、コンビを組もうと誘った。だが、せいやは教師を目指して大学に進学。粗品はピン芸人としてデビューしたが、さまざまな芸人を見ても、せいやが面白いという気持ちは変わらなかった。
「ピンネタの100倍面白い漫才ができると思った」(「毎日新聞」2017年6月3日付)と確信し、せいやを口説き続けた。そして13年、ついに霜降り明星を結成する。だが、周囲の目は冷ややかなものだった。「粗品の邪魔すんなよ」「なんであいつ連れてきたん?」などと言われる逆境からのスタートを強いられた(光文社「FLASH」18年12月25日号)。
自分が無理に誘ったお笑いの世界。「聞いてた話とちゃうぞ」とならないように、粗品は「付き人」のようにティッシュまで用意するのだ。やがて霜降り明星の快進撃が始まった。