月亭方正さんの落語家転身は先輩・東野幸治のアドバイスで
その日は打ち上げにもお誘いいただき、1次会、2次会と5、6時間ほど飲んだかなあ。かなり酔うて、その勢いで「月亭くれえ」言うたんです。周囲におった先輩たちはピリッとしたと思いますよ。いくら酒の席でも素人が初めて一席演っただけなのに、言うていいワケがない。
■八方師匠は月亭方正と名前を書いてくれた
ところが、機嫌がよかった八方師匠は「ええよぉ~、あげるよぉ~」って。おまけに、「八方の“方”をつこたらええがな」と、居酒屋にあった紙の裏に月亭方正と書いてくれたんです。その紙はいまでも大事にしてますが、それからますます落語ラブに拍車が掛かりました。
ところで、なんで落語を聴くことになった? 実は僕、ずーっと芸風に悩みを抱えてたんですわ。20歳やった89年に「TEAM―0」というコンビで大阪から東京に行って、90年から「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」のレギュラー。
この番組でヘタレキャラで人気が出たんやけど、納得してたわけやないんですね。ホンマはメインでお客さんを笑わせたかった。