なすびさんの不屈の精神力「今は電波少年に感謝の気持ち」
それが、3回挫折し4度目で成功したエベレスト登頂にも役立った。
「標高1350メートルほどの地元の安達太良山でさえ登ったことがないのに、いきなりエベレスト。公表した最初は売名行為、便乗商法と散々叩かれました。でも、僕が挑戦することで福島だけじゃなく復興途上にある東北各県の方々に、元気と勇気、夢と希望を持ってもらおうと思ったんです」
費用は毎回約1000万円。最初の挑戦では貯金を崩し、愛車のプリウスを売却。不足分を友人知人に頼った。
2回目、3回目はクラウドファンディングを利用した。
「1回目はタイムアウト、2回目はルート上の氷河崩落、3回目はネパール大地震によって断念せざるを得ませんでした」
そして自己負担で計画した4回目、16年5月19日に無事登頂した。
「大勢の方に助けられました。これも『懸賞生活』からのつながり。今は番組に感謝の気持ちしかありませんね」
世田谷の1Kアパートに一人暮らし。独身だ。
(取材・文=高鍬真之)