ジャズシンガーMAYA ヒットの陰に名伯楽・寺本幸司の存在
ベテラン・ジャズシンガーMAYAの新譜CDが先ごろ、Amazonのジャズ・歌謡曲両部門の売り上げランキングで1位を獲得し、話題となった。5月15日に発売された「しろいくろ」(テイチクエンタテインメント)がそれ。
MAYAは2004年にメジャーデビュー。ジャズやポップスなどのジャンルを超えた独自の世界観をベースに、これまで16枚のアルバムをリリース。ジャズ専門誌「スイング・ジャーナル」で2度もゴールド・ディスクを受賞した実力派だ。
ジャズにとどまらない彼女の才能に注目し、今回のアルバムを手掛けたのが音楽プロデューサーの寺本幸司氏(80)。これまで浅川マキ、桑名正博、りりィ、イルカ、下田逸郎ら個性的な歌手を発掘してきた。
「『朝日楼』(原曲は『朝日のあたる家』)という浅川マキが日本語詞を書いた歌があり、ほかの歌手が歌うことをマキが嫌い、ちあきなおみにしか歌うことを許さなかった。2年前、その歌をMAYAの歌唱で聴いた時、彼女の中にマキと同じ『時代の闇』を見た気がして、彼女のオリジナルアルバムを世に出したいと思ったのです」(寺本氏)