坂東彦三郎さんは芝居をしながら地球3周 絶対行きたい国は
09年に蜷川幸雄さん演出の「NINAGAWA十二夜」の公演をロンドンで行った時に出演させていただきましたが、反応が素晴らしかった。その時は在英日本人の方が多くて、私は現地在住の日本人が現地の外国人の方々を連れてきてくれるような公演ができたらと思いました。
3周というのは、1周だと無我夢中でやっているうちに終わってしまうから。2、3周回ればリアクションを肌で感じて受け止める余裕が出てくると思います。ヨーロッパ、ブラジル、ハワイ、東南アジア……日本人街のある都市へ行って公演をしてみたいです。ポーランドの首都ワルシャワではぜひ、やりたい。高校時代、英国暁星国際学園に留学し、修学旅行でワルシャワに行ったことがあります。その時、市場で買った鉛筆の風景画を気に入っていて、今も自宅に飾っています。その絵を描いた人にぜひ私の歌舞伎公演を見てもらいたいですね。
死ぬまでにやりたいというか、死ぬまでずっとやりたい、うまくなりたいのはやはり歌舞伎。自分の演技を絶賛されたいというより、舞台を楽しんでもらいたい。実は歌舞伎を本当に好きになったのはここ最近。子供の頃は祖父が厳しく、「歌舞伎役者になれ」と言われて育ったわけではないけど、窮屈に感じていました。公演のために学校も早退や遅刻をしなくてはいけなかったし、友達が塾に行っているのに稽古しなくちゃいけなかった。