渥美清に通じる生き様 阿部寛のプライベートは謎だらけ
どんな演技でもこなす俳優としての器用さと、普段の不器用さ。阿部の過去をあまり知らない人にとっては、対極にあるその2つがリンクしにくいかもしれない。というのも、それくらい阿部のプライベートが知られていないためだ。
阿部の芸能界デビューは1983年で、男性ファッション誌「メンズノンノ」の専属モデルとしてスタート。ノンノの創刊号から43号まで連続表紙を飾るギネス記録を打ち立てた。
■小劇場のゲイ役やVシネの悪役にも挑戦
順風満帆の中、23歳で役者デビューを果たすも、ハンサムな好青年役しか与えられず、バブルの崩壊とともに阿部のような高身長ソース顔のハンサム俳優は必要とされなくなってくる。さらにバブル期に投資した不動産で数億円にも上る多額の借金を抱え、一時はパチプロとして借金を返済しながら生計を支えていた時期もあったという。それでも阿部は役者の夢を諦めず、小劇場でゲイ役や、Vシネの悪役などありとあらゆる役を演じ、性格俳優としてのキャリアを身につけていった。そして、「TRICK」でようやくチャンスをつかんだ時には、阿部は36歳になっていた。