料理愛好家を生み出した夫に対する平野レミなりの弔い方
その平野の声にほれ込んで、和田は久米に「一緒にやってる子を紹介してよ」と頼んだ。久米にとって和田は麻雀の師匠。普通なら断らないが、平野のキャラクターを知っている久米は「やめときなさい」と答えた。仕方なく和田はディレクターに頼み、それからわずか1週間で結婚を決めた。
実はラジオの前に和田は一度テレビで平野を見ていた。その時、彼女は生放送でピアノの前で歌っていたが、歌い始めたらすぐやめて、やり直した。それが和田には「チャーミング」に映ったのだ。
初めて会った日、しゃぶしゃぶ店で店員に「この付けるタレ、何でできてるの?」と聞いている彼女を見て、この人は料理がうまい人だと確信したという(朝日新聞出版「週刊朝日」14年4月18日号)。そんな和田の勧めもあり、「料理愛好家」としてテレビに出始めたのだ。
和田は「食べ上手」でもあったという。
「『おいしいね』って言ってくれて、『ちょっとコクがたりないかな』とか言い方がうまかった。すると、次はこうしてみようかなって思うでしょ。和田さんが私を持ち上げるのがうまいから、上手になっていったのかもしれない」(光文社「女性自身」19年10月12日)