テラハ問題でも変らない バラエティーの常識は世の非常識
リアリティーショーという名のドラマ。最初からドラマと言ってしまうと、役者を使わなければならないが、リアリティーショーなら名前も顔も売れていない駆け出しタレントを使え、低コストつまり安いギャラで好き勝手に動かせる。出演者も、有名になりたいという一心で来るから、互いのニーズは合致していた。
「テラスハウス」では室内のいたるところに小型カメラが仕掛けられる中、階段の脇とか下あたりなど、死角になる場所があり、そこに一部出演者の男女が隠れて、チョメチョメやっていたなんて話もある。
しかし、出演者はつくりものの世界とはいえ、自分のキャラクターを面白おかしく、もっと言えば露悪的にいじられてしまう。そのリスクを認識していたか疑問で、今も深いトラウマを解消できないでいる向きも少なくないのではないか。
バラエティーの番組に携わるTVマンは面白ければ、数字を取れれば、それでいいと思っている連中だから、モラルなんて持ち合わせていない。プロデューサーにはコンプライアンスの意識もあるのか疑わしい。一般的にビジネスはリスク管理が必須だけど、バラエティーはギリギリの橋を渡ってなんぼ。リスクへの認識から違うのだ。コトが起こってしまっても、本質的に責任をどうのなんて考えない。今回だって、本音では嵐が過ぎ去るのをじっと待っているだけだと思う。ただ、事件を受け、こうしたバラエティーの第一線にいたあるベテラン局員も「もうあの世界はこりごりだ」と言っている。