ルーツは辻希美 常識を錦の御旗に炎上させるネット自警団
芸能人や著名人のなかには、ターゲットにされて繰り返し誹謗中傷を受けるケースが少なくない。かつては、元モーニング娘。の辻希美が何をやっても炎上していた。
もともと「おバカキャラ」だったのだから、多少とっぴな言動であっても、そんなものと流せばよいのだが、そうは放っておいてくれない。辻のブログが炎上していると話題になるにつれ批判も過激化していき、世間ズレした非常識な人を難詰するというよりも、「世の中をナメている迷惑なバカ女を指弾することで、常識的に矯正する」といった趣に変わっていく。
何をやっても「正しい常識の視点」からのクレームがつくこととなり、それゆえ辻に失態がなくても常に炎上しているように見えてしまった。あら探しをしている姑の小言が毎日寄せられているようなものだから、言われた辻の方も嫌な気がしただろう。あるいは、価値観の違う姑みたいな小言がゆえに、かえってスルーしやすかったかもしれない。
いずれにせよ、辻の炎上が常態化したことで、「世の中をナメているバカ者を矯正する」という意識が次第に拡散し共有されることとなり、昨今の「自粛警察」「ネット自警団」という「常識」を錦の御旗にして炎上させて回る集団を生み出す背景となった。自分たちと異なる考え方や行動を嫌い、同化するよう無理やり矯正しようとしたり、排除してしまおうとするさまは、まさにイジメや村八分そのものだ。