芸能界の大御所“ビックダディ”藤岡弘、の「サムライ」伝説
まさに礼儀や挨拶の見本を藤岡自身が体現していたというわけだ。取材が始まると、仮面ライダー時代の思い出や、6歳から続けていた武道や武士道精神について熱く語ったという。
「その後、撮影となったのですが、すでに約束の時間は大幅にオーバーしている中、同行した若いカメラマンがノリノリになって、藤岡さんに空手の形のポーズを何パターンも要求し始めました。藤岡さんも真剣そのもので、空手の『息吹』の呼吸をしながらそれに応えてくれました。“こうですか?”“いいです! 最高です。もっとレンズに拳を突き出す感じで”“こうですか? コーッ、コーッ、コーッ(と息吹の呼吸をしながら)”……。そばで見ているとコントのようなやりとりでしたが、カメラマンがOKを出した瞬間、藤岡さんは、息を切らせながら『ありがとうございました。勉強になりました』とまたも最敬礼です。こちらが恐縮してしまいました」
ちなみにその後は、毎年かかさず年賀状が届くようになり、そこには「いにしえの 真の侍の生き様に 思いを馳せる 武士道精神 合掌、藤岡弘、」などの熱いメッセージが書き込まれていたという。芸能ジャーナリストの城下尊之氏はこう話す。