黒マスクでV 大坂なおみは「マッドマックス」のC・セロン
「MADMAX 怒りのデス・ロード」が地上波で放送された。久々に見てやはり映画史に残る名作だと納得した。
話はこうだ。水と石油が希少価値である核戦争後の未来。その世界を牛耳るのは王であるイモータンジョー。スキンヘッドに上半身裸で白塗りにしたウォーボーイたちを従え、奴隷のような民に水を与えることで君臨している。その大隊長が片腕の女フュリオサ(シャーリーズ・セロン)。作戦行動すると見せかけ、イモータンジョーにとらわれ、子供をつくることを仕事とさせられている女たちを密かに連れ出し逃走する。ひたすら「逃げる」「追う」それだけの展開。だがその世界観は深く、映画的魅力が満載だ。
■自由と尊厳を体現
折しも同じ時期に全米オープン優勝を果たした大坂なおみ選手。
度重なる警官の黒人射殺事件に抗議し、犠牲者の名前を書いた7つのマスクを着けて見事優勝。素晴らしい感動とメッセージを全世界に届けた。両手を突き上げる歓喜の姿を見て、私は「MADMAX」のフュリオサを想起した。人々の自由のために立ち上がる勇気ある女性だ。