日本全体が緩やかに劣化 元凶はベテラン排除した小泉改革
そういう時代といえばそれまでか。いや違う。これはあくまで運転手の質が劣化しているのだ。
そのことによる時間の遅れ、料金のロスによる経済的損失は目には見えないが確実にあるはずだ。
ではこれはタクシーだけの問題なのだろうか。そんなはずはない。ここに表れていることは、どの業種にもどんな職場にも起こっているはずだ。
らちの明かない電話応対。融通の利かない接客。危険を見逃してしまう検査体制。ちょっと考えても枚挙にいとまがない。
日本全体が緩やかに劣化している。こんなことがいつから始まったのか。おそらく竹中平蔵氏が小泉首相と組んだ小泉改革。あのあたりからだ。新自由主義の名の下、あらゆることに精通したベテランの熟練工をリストラし、自分の現場の自分の担当のことしかわからず、しかもすぐに交代してしまう非正規社員を増やした。
そのために、事なかれ主義が蔓延し手抜きが横行し、起きなくていいミスがどんどん起きる。些細なことだが、こういう些末なミスがいつか昨今頻発している爆発や火災などの大事故につながるのだ。