江口洋介「天使にリクエストを」は視聴率スルーの見応え
「視聴率とは別次元に振り切ったドラマで、心にズシンとくる見応えがあります」
そう語るのは、テレビコラムニストの亀井徳明氏。
亀井氏は「“死”に向き合う話を、それが身近に感じられる世代に分かりやすい役者を起用して伝えています」と、こう続ける。
「志尊淳さん、上白石萌歌さんという旬の若手こそレギュラーで出ていますが、それ以外は倍賞美津子さん、梶芽衣子さん、塩見三省さん、西郷輝彦さん、山本學さんなど、確かな演技のベテラン揃い。奇をてらった演出はないのですが、登場人物がなぜそういう行動を取るのか、その背景にある心情を深みのある演技で見せてくれるところに、思わず見入ってしまいます」
NHKの番組公式HPの掲示板や、他のドラマ関連サイトを見ると、「天使にリクエストを」は最近のどのドラマよりも長文の感想が目立つ。
「〈〇〇ちゃん可愛い〉とか〈〇〇さんカッコイイ〉なんて役者の見た目の評価や、〈この部分が破綻している〉とか〈リアリティーがうんぬん〉といったツッコミ系の書き込みがあまり見当たらないんです。それだけストーリーや演技に入り込めるドラマなのでしょう」(亀井徳明氏)
人生最後の願い――それを意識せざるを得ない世代には、身に染みるに違いない。探偵の元妻の父親役として山本學が登場する第4話は10日放送だ。