永野さんが酔って斎藤工に「映画やろうよ!」が本当に実現
翌日すぐにLINEがきた
ネタ以外にも、酒は結構、いい効果を生んでくれてます。テレビに出始めてブレークできたきっかけをくれたのは、俳優の斎藤工くんが僕のファンと公言してくれたおかげ。彼と映画をやれたのも酒のおかげなんです。
4年前、工くんと一緒のある打ち上げの席で僕がベロンベロンになって工くんをただ楽しませようと思って、「映画やろうよ!」と言ったんです。酒の勢いでこういう面白い映画作ろうよ、と工くんを笑わすためにいろいろしゃべっていたら、工くんはシラフで聞いていたから翌日すぐにLINEがきて、「昨日の映画の件ですが……」と、僕の話したことを細かく考えてくれて!
それが去年「MANRIKI」という映画になりました。主演が工くんで、僕が出演、原作、脚本なんです。4年前のあの日、酔っぱらってなきゃ映画の話はしてないから実現していない。
工くんともそうで、酒を飲むと、その人との間にある壁がなくなって打ち解けて話せるところがいい。逆に飲まないとぎこちないことも。事務所の仲間のサンドウィッチマンはお酒飲まないから、同い年なのにいまだに話すと緊張しちゃいますもん(笑い)。
工くんみたいな有名な芸能人と飲んだ話を他にもしたいですけど、一緒に飲んでる酒好きは、全員無名な芸人ばかり(笑い)。マニアックな後輩芸人が僕の周りに自然と集まってきます。昔は割り勘でしたけど、今は僕がおごってます。
店にも行きますが、僕は飲むのが目的だから、お店より事務所の稽古場でのネタの稽古終わりに飲むのが好きですね。
■いつもは安酒。6人分3600円でも「高えな!」と
後輩に酒を買ってきてもらい、お笑い論を語ることもなく、ひたすら飲む。コンビニだと高いからスーパーまで買いに行かせます。貧乏癖が抜けてないですね。この前なんて酒とつまみで6人分3600円なのに「高えな!」とマジで怒りましたもの。ロング缶1本ずつに一番安い焼酎と柿ピーとか、つまみで1人600円で……。
一応、後輩が財布からお金を出そうとしている時に、「俺が払うよ」と言って、みんなが「ありがとうございます!」と挨拶する一連の流れをいつもやって、もう古典芸能みたいになっていますよ。1人600円でもやるんです(笑い)。
若手時代は安い日本酒とかワインばかり飲んで頭が痛くなってました。ある方にいいお店に連れていってもらってから、高いお酒ってワインも日本酒も本当においしいなとわかりました。少々高くてもいいお酒を飲むのはいいですね。
お酒の味を知ったからには、これからはいいお店を開拓していいお酒を知りたい。そして後輩を連れていきたい。今はまだチェーン店の安い居酒屋のプレミアムコースをおごって、「ありがとうございます!」とお礼を言われてるレベルですから。
(聞き手=松野大介)