いま高座にかけてる噺は古今亭志ん朝師匠の持ちネタが多い

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 1982年12月、一朝の真打ち披露興行に師匠の柳朝は病気療養中で出られなかったが、代わりに、協会幹部の師匠連が口上を述べてくれた。

「口上を聞いてて、『あ、この師匠は俺のことをこう思ってたんだ』とわかることもあって面白かったですね。ただ、大師匠の彦六が1月に亡くなってしまったのが残念でした。存命なら多分、司会をやりたがったと思います。『演芸半ばではございますが……』と始めるのが大好きでしたから」

 志ん朝は柳朝と<二朝会>という二人会を催すほど仲が良かったので、柳朝の病後、一朝に目をかけてくれた。

「ずいぶん稽古をしていただきました。今あたしがよく高座にかけてる噺は、志ん朝師匠の持ちネタが多いんです」

 昨年の独演会で演じた「抜け雀」「三枚起請」「芝浜」は志ん朝のネタだ。それらを一朝は正確に志ん朝の呼吸(いき)と間合いで演じていた。

「もちろん柳朝のネタも多いです。最近は、師匠が得意にしてた『宿屋の仇討』をやるようになりました」

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