若手時代の片岡鶴太郎に漫談を指南した意外な芸人とは?
「僕がトップで出て2番手がツービートでした。ツービートの漫才は他と比べてテンポが速いし、当時のネタは、じいさん、ばあさんに毒を吐くネタですから、寄席に来るお客さんにはあんまりウケないんです。それでも気にせずにひたすらたけしさんは毒を吐いていた。目の前のお客さんは捨ててるわけですよ。でも僕とか先輩の芸人さんたちが舞台袖から見てて、芸人たちにはドッカンドッカン、ウケるんです。たけしさんは袖にいる芸人たちに向けてしゃべってましたね(笑い)」
当時はたけしさんと劇場の出番が終わると、毎日のように飲みにいっていたそうです。
「『将来どうしていこうか』といった話をたけしさんとしてましたね。正月は夕方から浅草の飲み屋に行くんですよ。そこはテレビがあって、『新春かくし芸大会』(フジテレビ系)を見ながらたけしさんは、『やっぱ、俺たちもこういうところに出なきゃいけないよな』って言ってました」
その頃の芸人さんはバラエティー番組に出ることはなく、テレビに出ても『笑点』(日本テレビ系)のような演芸番組だけでした。しかしその数年後、伝説のバラエティー番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)で2人は一気にスターダムに駆け上がっていくわけです。
綾小路きみまろさんとビートたけしさんは若手時代の片岡鶴太郎さんにとって、なくてはならない存在だったんです。(つづく)