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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

野暮も突き通せば粋に…自称「小物」立川志らくの感情論

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 談志からも「志らくの落語が一番」などと才能を高く評価され、寵愛を受けた。「シネマ落語」など新たな分野も開拓し、名実ともに落語界のトップとして、ファンからも高い支持を受けている。

 だが、「あれ(立川ボーイズ)をやってしまったからテレビには向いていないと思った」と冒頭の番組で本人が言うように、テレビの世界には背を向けていた。そんな志らくが50代半ばで突如テレビに積極的に出るようになった。気持ちが変わったきっかけは、談志の死だった。

「談志は生前、私のマネージャーだった自分の弟に『なんでお前は志らくをスターにできねぇんだ』とこぼしていたそうです。落語の才能は認めてくれていたので、遅ればせながらテレビで売れて談志を喜ばせたかったんです」(小学館「週刊ポスト」2018年6月1日号)

 コメンテーターの仕事で心がけているのは「感情論で話すこと」と冒頭の番組で語っている。「思想じゃない。『弱きを助け、強きにはヨイショ』っていうのが芸人の生き方」だと。

 ツイッターでのケンカについても「あれはみっともなくて、野暮ですよ。粋に返すのがいいんでしょうけど、粋に返すっていうことが粋じゃないっていうこともあって。野暮も突き通せば粋になっていく」(オリコン「ORICON NEWS」19年10月18日)とも語っている。

「小物」のように感情のまま発する「野暮」さこそが、芸人の真骨頂なのだ。

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