野暮も突き通せば粋に…自称「小物」立川志らくの感情論
談志からも「志らくの落語が一番」などと才能を高く評価され、寵愛を受けた。「シネマ落語」など新たな分野も開拓し、名実ともに落語界のトップとして、ファンからも高い支持を受けている。
だが、「あれ(立川ボーイズ)をやってしまったからテレビには向いていないと思った」と冒頭の番組で本人が言うように、テレビの世界には背を向けていた。そんな志らくが50代半ばで突如テレビに積極的に出るようになった。気持ちが変わったきっかけは、談志の死だった。
「談志は生前、私のマネージャーだった自分の弟に『なんでお前は志らくをスターにできねぇんだ』とこぼしていたそうです。落語の才能は認めてくれていたので、遅ればせながらテレビで売れて談志を喜ばせたかったんです」(小学館「週刊ポスト」2018年6月1日号)
コメンテーターの仕事で心がけているのは「感情論で話すこと」と冒頭の番組で語っている。「思想じゃない。『弱きを助け、強きにはヨイショ』っていうのが芸人の生き方」だと。
ツイッターでのケンカについても「あれはみっともなくて、野暮ですよ。粋に返すのがいいんでしょうけど、粋に返すっていうことが粋じゃないっていうこともあって。野暮も突き通せば粋になっていく」(オリコン「ORICON NEWS」19年10月18日)とも語っている。
「小物」のように感情のまま発する「野暮」さこそが、芸人の真骨頂なのだ。