著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

立川談志は「講談の時代がくる」と予言した

公開日: 更新日:

 講談は落語のように一般に広まらない――。講談受難の時代、神田松鯉師匠は落語界、いや芸能界の寵児でもあった立川談志師匠に悩みを打ち明けたことがある。談志師匠は昭和11年生まれ、6歳上の大先輩でもある。

 どうしたら講談は人気が出るのか。

「談志師匠は、落語はもともと『アウトローだ』と言っていました。世間の常識から外れてアウトローなのが面白いんだと。くだらないことやってるのを、まともな人に『面白いことやってるじゃないか』『かわいがってやろうじゃないか』と思われるのが落語。ところが、いつの頃からか、時代が変わって世間一般の方が『アウトロー』になっちゃった。本来、正常だった人たちの方がアウトローになってしまい、落語の存在価値がなくなった。そして世の中が乱れちゃうとその反動で正しくありたい、きちんと生きたいっていうことになる。そうなると、間違いなく原点に戻りたいと人は思うもの。講談は人間のモラルというのが下敷きにある古典芸能です。だから最後に生き残るのは講談なんだよって、師匠はおっしゃった」

 落語はアウトローで、講談はモラル……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された