草津町議だった新井祥子さん 性的被害告発でリコール失職、海外メディアも注目したその後は…
性被害問題に取り組む団体「Spring」と「One Voice」が昨年11月に発表した調査(回答数5889件)によると、被害者のうち、83.8%が警察に被害を相談しておらず、警察に相談した894件のうち、約半数が被害届を受理されなかったと回答している。
「告訴、告訴と簡単に言うけれど、それは男性目線であって、被害者にしてみれば、ハードルはとても高い」(全国被害者支援ネットワーク)
現在、町内の賃貸マンションに住んでいる新井さんだが、町議会では「居住実態の有無」も問われた。
「当時住んでいたアパートは顔見知りだった大家さんのご厚意で借りたのですが、水道が壊れていて使っていなかったため、水道料金が支払われていないということが疑惑の種になったのです。しかし、契約書もちゃんとあり、解約したこともありません」
草津町の解職請求住民投票については、「多数派が少数派の意見を封じ込める手段として悪用される懸念を払拭できない」(岩崎忠・高崎経済大学教授=自治実務セミナー21年3月号から)と自治法の専門家からも疑問の声が上がっている。最高裁の判断が注目される。
(取材・文=高鍬真之)