1948年11月、東京生まれ。日大一中から一高。初土俵は67年１月場所、最高位は大関。引退は81年３月場所。引退後は日本相撲協会で審判部副部長を務めた。74年「そんな夕子にほれました」、77年「そんな女のひとりごと」などがヒット。画家として二科展入選の常連。「ちゃんこ増位山」（墨田区千歳）を経営。
<1>コロナ禍で運動もしないから1日4、5時間サックスを吹いてます
なので、毎日４、５時間はサックスを吹いています。アルトからテナーまで６、７本は持っているかな。楽器は無理がないし、好きになると夢中になり、頭も使う。
連載ではそんな僕がこれまでやってきたことを振り返りながらお話ししたいと思っています。
■相撲よりも出合いが早かった歌謡曲
初の親子２代大関といわれましたから、相撲で人気が出て演歌を歌ってヒットしたと思われているかもしれませんが、私にとっての出合いは歌が先です。先代の増位山は歌が好きな人でした。物心がついた３、４歳の頃から、蓄音機でかけた歌謡曲をよく聴いていましたね。その頃からのレコードが今もコンテナいっぱいに残っています。
私が今も所属しているのはテイチク（エンタテインメント）です。当時は「星の流れに」とか「岸壁の母」を歌ったテイチクの菊池章子さんのファンであの歌声が懐かしいですね。今も耳に残っています。
当時、中央区の新富町に家がありました。花街だから、隣が芸者の検番で、うちは母親が相撲部屋の経営が大変だからと１階で小料理屋をやっていました。そういうところだから、ラジオから歌謡曲とか演歌が流れてくる。部屋には力士がいたから、力士と触れ合うのと歌がどんどん耳に入ってくるのが同時期だったかもしれませんね。
