「古見さんは、コミュ症です。」をドラマ化 若者の生きづらさ"に斬り込むNHK
■誰も教えてくれない友達の作り方
NHKドラマは、「トクサツガガガ」や「腐女子、うっかりゲイに告る。」など、"若者の生きづらさ"を多角的に取り扱った作品選びをしている。
一見考えさせられる重たいテーマを、何気なく世界のどこかで誰かの身に降りかかっている出来事として切り取り、押し付けがましくなく見せていく独特なNHKドラマの雰囲気には、肩肘張らずに見ることができるからこそ「自分事」として考えたくなる力があると感じる。
今回の「古見さんは、コミュ症です。」も同様で、入学したばかりの高校で周りから距離をとられ、孤立し、お昼休みに一人でお弁当を食べるしかない古見さんや、ヤマンバメイクの万場木留美子(演・吉川愛)の独白は、10代の青春時代にしか感じることのできない「孤独感」を確かに思い出させてくれた。
友達の作り方は、学校でも誰も、きちんと教えてくれない。自分が放り込まれたコミュニティの中で、勝手に作れる子もいるならば、作れない子もいる。
だからこそ、友達を作るというのは実はとても難しい。人に嫌われるのが怖いという気持ちは誰しもが持ち得ているとは思うが、その度合いは自己肯定感によって変わってくる。