岸田内閣の閣僚たちが居並び写真を撮った場所こそ「空気階段」 今の日本の政治の象徴だ
しかし結局、コロナ禍の中で、満員電車だけはなくならなかった。小池都知事の何一つ実現していない公約の中でも、満員電車ゼロぐらいは実行して欲しかった。結局、すっかり元通りの満員に戻ってしまった。
小池氏もすっかり存在感が薄くなった。国政に戻って女性初の総理大臣の夢も、今回の高市、野田の総裁選立候補で、すっかり遠のいてしまった感がある。ガラスの天井を破るまでの階段がそもそも「空気階段」だった。そして岸田新総裁、新総理の人事と組閣。これがもうよくわからない。古いのか新しいのか。独自路線なのか傀儡(かいらい)政権なのか。なんだかうやむやでハッキリしない。まさに岸田氏のイメージそのものだ。
何より閣僚が知らない人ばかり。並んだ姿は、申し訳ないが100均ショップみたいだった。いや、「安っぽい」という意味ではない。今どきの100均はなかなか使いでがあり侮れない。「見なれない未知数の商品ばかり」という意味だと思ってもらいたい。
しかも総選挙を前倒ししてしまった。新内閣が発足して2週間でもう総選挙だ。コロナ感染者がリバウンドしないうちに、小池都知事がいろいろ準備できないうちに、予算委員会が開かれ新閣僚がボロを出さないうちに、甘利さんが過去の疑惑を追及されないうちに、どさくさ紛れに雰囲気だけで戦うつもりだ。国民もなにやら訳がわからぬ。政権交代の機運も盛り上がる暇がない。
閣僚たちが居並び写真を撮ったあの階段こそ「空気階段」だ。我々が上るべき本当の階段はどこにあるのか。