民放各局「10.31選挙特番」メインキャスター“NHK出身”だらけのふがいなさ
■「安全運転の安心感」
「『ニュースステーション』の久米(宏)さんにしろ、『NEWS23』の筑紫(哲也)さんにしろ、昔は民放も局ごとのカラーがハッキリしていました。安倍政権の頃から、自民党が選挙報道に“公正中立”を要請するなどプレッシャーをかけることが顕著になる中、メインにNHK出身者を据えることは、局にとっては、安全運転で番組を進められるという安心感があるのだと思います。しかし民放にとっては、人材不足は否めません」(小田桐誠氏)
こうした“安全パイ”起用が増えてきた背景についてメディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。
「確かに半数以上がNHK出身者というのは、初めてのケースだと思います。はたして民放は、自前のキャスターを『育ててこなかった』のか、『育てられなかった』のか。しかしその実、『育てる気はなかった』のではないかと思います。そもそも『報道』も、視聴率を取るという放送ビジネスの一環であることは否定できず、顔と名前が売れていて、お客さんが付いている人を引っ張ってくる方が手っ取り早いからです。しかしそこには、『局としての報道ジャーナリズムの責任をどう担保するか』という課題は歴然と残ります」