「眞子さんの乱」が示した皇室の“危機”…悠仁さまの結婚相手を見つけるのは至難の業
しかし、現在は一国民にすぎない旧宮家だけが、皇室と養子縁組できるなんて、どこかおかしくないか……。仮に次女の佳子さまが秋篠宮家を継いで結婚したとしても、その相手男性は現在の決まりでは皇族になれない。それなのに、なぜ旧宮家だけが一国民であっても皇族になれるのか。
旧宮家といっても、明治維新まではほとんど門主といわれた僧侶だった。それを明治になって皇族に還俗させ、戦後は再び皇籍を離脱させて一般人に戻した経緯がある。それから75年近くも経って、またもや皇族に戻そうという。この軽さはなんだろう。その時、果たして国民は皇室を敬愛するだろうか。今から1600年以上も前の5世紀に、直系の皇嗣が絶えたために「越」の国から連れてきた継体天皇の例はあるが、今はそんな時代ではない。国民の多くが納得できる人でなければ、たとえ天皇に就いても誰も振り向かないだろう。
昭和20年代に、自称「熊沢天皇」と名乗り出た人物がいた。熊沢寛道である。14世紀に後醍醐天皇の南朝と、足利氏が擁立した北朝が対立したが、現在の皇室は北朝の系統に対して、熊沢天皇は南朝の系譜との主張だった。血さえつながっていればいいなら、あの熊沢の末裔も可能性ありになってくる。バカバカしい。旧宮家の復帰はそれとあまり変わらないのに、守旧派の政治家たちは、そんな乱暴なことを進めようとしているのだ。果たして、国民はそれで象徴天皇制を支持するだろうか。 =つづく