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立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)「NHK 日本的メディアの内幕」など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

立憲がCLPに資金提供 特定政党から支援を受けるメディアは「公共のメディア」ではない

公開日: 更新日:

 2021年1月6日にアメリカで起きた議会襲撃事件から1年となる日、CNNが特番を放送した。当時の状況を議員やスタッフが証言する内容で、暴徒に少数で対峙した警察官も取材に応じ見応えのある番組だった。

 ところで、仮にこの番組に政党から資金が入っていたら、どうだろうか? 例えば、この事件を追及している民主党から資金が出ていたら? 仮に同じ内容でも、「見応えのある番組」とはならないだろう。

 そうした事態が年明け早々の日本で発覚した。Choose Life Project(以下、CLP)というインターネットメディアが立憲民主党(以下、立憲)から約1500万円の資金提供を受けていたことが明らかになった。CLPは若いテレビマンらが中心になってつくったもので、公共のメディアを標榜し、安保法制を進める政府への厳しい姿勢での番組作りなどが評価され、クラウドファンディングで3000万円以上を集めるなどして話題となった。それが、立ち上げ時に立憲から資金提供を受けていたということだ。

 主要な出演者5人が抗議声明という形で事実を明らかにし、その後、CLP、立憲ともにその事実を認めた。双方の説明で強調されたのは、立憲は番組の内容には関与していないという点だ。それがあたかも免罪符のように出された。ここは明言しなければいけない。特定の政党から支援を受けるメディアは公共のメディアではない。また、内容に関与したかどうかも関係ない。支援を受けたという事実が、公共メディアとしての資格を失う。

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