著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<141>田辺市はアプリコ破産申し立ての説明を「何も言えない」と拒む

公開日: 更新日:

 田辺市は野崎幸助さんがアプリコに約8億円を貸し付けていたとしてアプリコの破産を申し立てた。だが、その契約書は残っておらず、会社の帳簿上に記されているだけだった。

「アプリコにお金を融資しているんですよ」

 生前、彼は私にそう言ったことがある。

「それは節税のためでしょ。帳簿上で数字だけが動いているだけじゃないですか」

 私が笑いながら取り合わないでいると、彼は返答せずに苦笑しているだけだった。このような経緯があるから、私は帳簿を精査したり会計士から事情を聴取したりする必要があると思っていた。

 破産申し立てをしたのが田辺市であることを知るマスコミはなかった。きっと幅広く商売をしていたのだから負債もかなりあって、そこから申し立てられたと勝手に思っていたのだろうが、それは全く違っている。実際は田辺市が独断でやったという事実を後に知ることになったマスコミ各社は、市へ取材を申し込んだ。ところが、である。市側は「(田辺市が破産申し立てをしたかどうかについては)何も言えません」と答えるだけだった。行政ともあろう機関が財政に関わる案件について情報を隠すこと自体が異常であり、正当な理由があるなら堂々と説明すればいいだけのことだ、というか世論から反発を受けることを怖がっているように私には思えた。遺言無効の係争中にそんなことをするのか! というのが私の怒りでもあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出