<148>「きょう捜査員が来ましたよ」和歌山県議・尾崎太郎氏からの連絡
まるで、そんな頃合いを見計らっていたかのように、手元に置いていた携帯電話が振動した。
■新たな動きを始めた警察
「きょう捜査員が来ましたよ」
和歌山市に住んでいる尾崎太郎和歌山県議だった。彼とは旅田卓宗元和歌山市長の逮捕のきっかけとなった記事を担当して以来20年近くの付き合いであり、東京や大阪でも会うことが多い友人だ。
「これって吉田さんが書いたんじゃないですか?」
16年12月に「紀州のドン・ファン」が上梓されたすぐ後にも電話があった。彼は読書が趣味で本屋を回るのが日課となっているが、こちらから何も言っていなかったにもかかわらず目ざとく見つけて連絡をくれたのである。著者は「野崎幸助」になっているが、尾崎さんはピンときたと言った。
「へえ、1年半も過ぎてから捜査員が来たんですか?」
「そうなんですよ。うちの事務所にノーアポイントで来たから笑っちゃうよね」