「西城秀樹伝説」輝き増す…ファンもメディアも愛した“レジェンド”の偉大な功績
■カバー曲も自分のスタイルで歌う
大ヒット曲「ヤングマン」が、米ディスコグループ「ヴィレッジ・ピープル」の1978年のヒット曲「YMCA」のカバーだったのは有名な話。レインボーにナイトレンジャー、KISSなどの楽曲を幅広く歌い、ワム!の「ケアレス・ウィスパー」を「抱きしめてジルバ」として、リリースすると、郷ひろみがそれに倣えと、歌ったりしていたという。
きっかけは、ロッド・スチュワートがスプリームスのシングル「キープ・ミー・ハンギン・オン」を自曲のように歌っているのをライブで見たこと。「こんなすてきな遊びをどうして日本ではしないんだろう」とはじめ、ヒデキのカバーを聴いて洋楽を知った者が相次いだ。洋楽の伝道者でもあったわけだ。
「そこで重視していたのが、誰をカバーするにしても、真似することなく、自分のスタイルで歌うことだったそうです。今では普通にやられていることが、ヒデキさんの開拓したものだったりする。驚くべき先見性であるとともに、ワールドワイドな歌唱・表現力があった稀有な存在なのです」(加藤氏)
日本の音楽シーンにこれだけのレジェンド歌手がいたのである。昭和世代なら胸を張りたくなるだろう。