広瀬アリスが先駆者に 芸能界で広がる「働き方改革」と「休める空気」の背景
比較的最近も、俳優の滝藤賢一が映画「SCOOP!」の撮影中にケガをした。監督に「痛い」と訴えたが、「すぐに終わる」と言われて走り回るシーンを撮り切った。案の定、病院で診察を受けると足の骨折だったという。
神田正輝もその昔、「西部警察」のロケで縄ばしごにぶら下がったままヘリコプターで飛んでいくシーンがあり、「手を離したら死んでしまう」という思いをした。なにせ命綱が用意されていなかったそうだ。こちらは根性論に近いが、こうして少ないチャンスを自らの手でもぎ取った。今の若い人は考えられないだろう。
■コロナ禍で現場の意識が変わった
芸能人が休養できるようになったのは、メンタルヘルスへの理解の浸透のほか、コロナ禍で「休むことに慣れてきた」ことも背景にあると思う。ひとりでも感染すれば撮影休止となるため、むしろ積極的に体調不良を告知して欲しいという流れができた。
冒頭の広瀬アリスは、10代の若い頃から活動してきて、このところ一気にブレーク。事務所も無理をさせないようケアしてるだろうが、次々に仕事が入ってくるので、「大丈夫。がんばります」なんて具合で連ドラを同時進行で撮影するという“離れ業”で無理をさせてしまった。