手掛けたCMソングは数知れず 放送作家の元祖・三木鶏郎が残した功績
また、放送作家の後進の育成でも大きな足跡を残した。有名なところでは、NHK「夢であいましょう」や歌謡曲の作詞で有名な永六輔や、「おもちゃのチャチャチャ」の作詞をした野坂昭如(作家になる前は、放送作家だった)がいる。ほかにも直木賞作家になった神吉拓郎や血液型性格分類で後に人気を博した能見正比古も、三木鶏郎の弟子にあたる。作家の五木寛之も、直接の弟子ではないが、小説家としてデビューする前は系列の会社でCMソングの作詞をしていたことがある。
そして60年代、時代はテレビへ。三木鶏郎の切り開いた道をさらに発展させ、放送作家が続々とテレビ番組に出演し、人気スターになっていく。「タレント放送作家」の時代が始まるのである。その話は次回で。(つづく)