ゆたぼん「九九言えない」はエンタメか…4児の父・木曽さんちゅう「理解できない」と懸念
ゆたぼんが本当に発信すべきこと
ゆたぼんは、「学校に行かない」という自由な選択をした上で、しっかりした学力をホームスクーリングでも身につけることができると主張している「不登校児」の立ち位置をとってきたが、それがどうも怪しい雰囲気になってきた。
漫才師で小学生を含む4人の子供を子育て中の木曽さんちゅうさん(51=元Wコロン)に、ゆたぼんの「九九が言えない」について聞いてみた。
「エンタメやお笑いのトレンドは時代の変化と共に刻一刻と変化していきますが、私には不登校児が九九が言えないことがエンタメだというのはどうにも理解ができません。学歴至上主義者でもないし、学校に行くことが全てだとも思いませんが、やはり義務教育で習う読み書きだったり、計算は、大人になってからも生活する上で必要とされる最低限の知識がほとんどです。
私自身がそうでしたが、仕事をする上で“世間の常識”が本気で分からなければ、恥ずかしい思いをしながら独学で必死に学び直すことになります。場合によっては、しっかり計算ができないことで仕事仲間や取引先に迷惑をかけてしまうことだってあり得るでしょう」
ゆたぼんはかねてより、「先生の言うことに従うクラスメイトがまるで心のないロボットのように見えてしまった」ということを理由に不登校の道を選んだと語っており、その理由自体には理解を示す声もある。
だがフリースクールやサポート校などでは、個性を伸ばすために授業も選択式にしている学校もあり、「学校という枠組み」の中にいてもゆたぼんが言うような「ロボット」が出来上がるとは限らない。
「ハーバード大学に行く」と言い、「学校に行くと大人の言いなりになるロボットができる」と言うのなら、九九を実際にどのように使えば実生活に役立つのかを真面目に発言した方がよっぽど「エンタメ」として成立するだろう。
■優しく諭す大人の存在が必要
「ゆたぼんが『九九が言えないこと』がエンタメとして成立すると本気で思っているとしたら、いくら口が達者でもまだ子供の部分があるのかもしれません。実際、まだ13歳の少年です。保護者でも誰でも構わないので、ゆたぼんに優しく諭してあげられるような大人が周囲にいないのか、心配になってしまいます」(木曽さんちゅうさん)
NHK党の立花孝志党首(55)は、ゆたぼんを「強く支持しています」といい、「あまりにも彼は天才過ぎる」と称賛しているが、ゆたぼんを持ち上げる大人たちが彼の将来の生活を保障してくれるわけではない。
「ゆたぼんが本来得られるはずだった未来の選択肢が、少しずつ狭められている気がしていならない」と懸念するのは、木曽さんちゅうさんだけではないはずだ。