NHK会長に元日銀理事・稲葉延雄氏が就任へ 市民の声無視した人選、早くも「けしからん」の声
NHKの最高意思決定機関である経営委員会が、2023年1月に任期満了となる前田晃伸会長(77)の後任に元日銀理事の稲葉延雄氏(72)を充てる人事を固めたことが5日、分かった。
稲葉氏は静岡県出身。1974年に日銀に入行し、考査局長や理事を歴任。2008年からリコー特別顧問、取締役会議長などを務めたほか、現在はリコー経済社会研究所参与を務めている。
6代連続の外部起用となるが、今回の人選について「けしからんと言いたい」と声を上げるのが、新会長に元文部科学事務次官の前川喜平氏(67)を推していた市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」の小滝一志事務局長だ。
同会は、これまでのNHK会長について、「公共放送の理念を理解しているとは思えない財界出身の会長が続き、時の政権に忖度したニュースや世論調査、社会の関心事に応えようとしない日曜討論やNHKスペシャルが日常化している」と主張。「市民の宝である公共放送をこれ以上毀損することは許されない」として前川氏の推薦を決め、前川氏自身も会長就任に意欲を見せていた。