「山形の教え」を心に秘めながら芸能人を生きた、あき竹城の山形弁
と答えた。対談の結びはこうである。私が、
「酒田出身の詩人で、吉野弘さんがいるんですが、彼には『正しいことを言うときは少しひかえめにするほうがいい』といういい詩があるんですよ」
と紹介すると、彼女は、
「ああ、山形の教えだ・・・・。父もそう。目立つな目立つなと言って、えらくならなくてもいいから、人から信用されるような生き方をしなさいと。だから人前に出たり有名になることを嫌っています」
と応じた。
あきも、そうした「山形の教え」を心に秘めながら、目立たなければ商売にならない芸能人として生きてきた。私と同席したスタジオで彼女が静かだったのは、山形弁のコンプレックスを隠してオーバーにしゃべる必要がなかったからである。