トシは音痴じゃない アタシのやる気にスイッチを入れた13年ぶりの再会

公開日: 更新日:

 そんな中にトシやマッチもいたのね。当時、アイドルの子たちって歌があまり上手じゃないっていじられていたでしょ。とくにトシとかね。アタシに言わせれば個性なのよ。歌が下手っていうのは音程を外して、歌えないようなことを言うの。音痴って言うでしょ。彼らは音痴じゃないですよ。普通の歌い方とは違うだけ。それを個性って言うの。試しにトシの歌を、他の人が歌ってみてよ。

 ぜんぜん良くないし、魅力的じゃないから。そう言う意味ではいくつになってもトシは変わらないわね。不器用だからこそ個性が生きているってこと。忘れている人も多いかもしれませんけど、1985年には「夏ざかりほの字組」っていう曲で初めてデュエットしたの。振り付けなんかもまあまあ話題になって2004年にもデュエット曲をリリースしたんですよ。

 アタシが数年前に舞台で転んで大腿骨を骨折したときのこと。その頃、体調的にも精神的にも最悪に近い状態だったんです。本当に笑顔でしゃべれる状態ではなかったの。だから失礼とは思いましたが、お見舞いをお断りしていました。そしたら病室にトシが現れたの。13年ぶりの再会。トシは寝たままのアタシをずーっと笑わせてくれて、帰りがけに「ナオコさんは俺にとって特別な存在だからさ、また2人で歌おうよ」って。

 元気づけてくれたことがきっかけで、アタシのやる気にスイッチが入った。それで必死にリハビリに励んだら、全治3カ月のところ1カ月で退院できたんです。トシ! あの時はありがと~。また一緒に歌おうね!

(構成・藤井優)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動