春風亭一之輔はマンネリ「笑点」を2カ月で立て直した!やっぱり“令和の名人”か
落語の世界で「本寸法」といえば、古典の人情噺、滑稽噺を粋に、そして情緒たっぷりに演じる正統派のことだが、春風亭一之輔はこれに「名人」「何十年に一人の本物」と付く。年間900席の高座を務め、いま最も忙しい噺家だ。
そんな一之輔が、なんでまたテレビのお笑いバラエティーなんかに……と言われながら、「笑点」のレギュラーを引き受けて2カ月。やらせてみると、やはりここでも達者だった。桂歌丸、三遊亭円楽が相次いで死去、高齢の林家木久扇は座布団にも座れず、いっこうに面白くならない林家三平は降板と、存続が危ぶまれるほど低迷していたのをたちまち立て直した。いまでは毎週のように世帯視聴率ベスト3入りである。
「一之輔は丸刈りに鋭い眼光、ずぶとい印象と、日曜夕方のお茶の間向きではありませんが、ふてくされているようなのに時々ニコッとするとウケるし、なにより司会の春風亭昇太や他の出演者との掛け合いが絶妙。もう何年もあそこに座っているような存在感はさすがです」(演芸評論家)
桂宮治とのけなし合いは、「歌丸VS円楽」を超えたといわれ、早くも名物になっているし、三遊亭の小遊三、好楽の後期高齢者コンビもからかわれてうれしそうだ。当代きっての人気落語家にからめば、自分も注目されるから、笑点メンバーはみな“いただき”ってなものなのである。