東野幸治、ノブコブ吉村のYouTubeが大人気! コンプラ重視のTVでは見られない“リアクション芸”で原点回帰
2人のルーツは“体を張った芸”
そもそも前振りとなる対決もなく、ただただ中年芸人が率先してさまざまな罰ゲームに向かっていくのだ。キャリアを重ねた芸人がやるからこそ、原始的な面白さが倍増するのかもしれない。
かねて、東野はVTuberに興味を持っていた。自身が演じていることを表に出さず、こっそり“関西キャラの女性アイドルVTuber”ができないかと考えていたという。数年後、所属事務所の吉本興業からVTuberの話を持ち掛けられ、お笑い色の強い番組として実現した形だ。
ツイッター黎明期にアカウントを開設し、2020年にYouTubeチャンネル「東野幸治の幻ラジオ」(現在は休止)を開始するなど、早くからSNSを活用してきた東野。ノブコブ・吉村とは、フリーディレクター・三谷三四郎氏のYouTubeチャンネル「街録ch」に出演し、同番組のイベントで共演する間柄だ。
彼らに共通するのは、体を張った芸やバラエティーの立ち回りで頭角を現した点だろう。東野は「ダウンタウンのごっつええ感じ」(フジテレビ系)のコント「放課後電磁波クラブ」で今田耕司とともにV字形の際どい水着を着て笑わせた。その後、バラエティーのひな壇や司会業での活躍ぶりは周知の通りだ。
吉村も曲に合わせて脇を鳴らす芸や、番組共演者に食って掛かる破天荒キャラで存在感を示し、現在は番組のサブMCや盛り上げ役として欠かせない芸人のひとりになっている。
そんな2人がリアクション芸の番組を始めたのは、ある種の原点回帰とみることもできる。漫才師やコント師が舞台に立ち続けるように、東野は“体を張った芸”こそ自身の真骨頂だと直感し、自分と似たにおいがする吉村を誘ったのかもしれない。
(鈴木旭/お笑い研究家)