アンジェリーナ1/3が語る神田伯山との出会い 代役出演のラジオで評価され知名度が上がる
落語と講談の違いもわからなかったけど
そんな中で私にとって大きな出来事は神田伯山さんとの出会いです。ある時、リスナーから「伯山という素晴らしい講談師がいる」というメッセージが来ました。私は落語と講談の違いもわからなくて、伯山さんのYouTubeで講談に触れました。「中村仲蔵」というお話でした。それを見て自分の人生と重なると思ってボロボロ涙が出ました。ステージの真ん中で座布団に座り、いろんな人の声音を演じ、表現する。その姿は音楽にも直結する。
この感動をすぐ自分のラジオでお話ししたところ、伯山さんはものすごくエゴサーチをする方で私が言ったことを調べていて、ご自身のTBSラジオ「問わず語りの神田伯山」で「ピンク髪でロックをやってる19歳の子が俺の講談を聴いて感動したらしい」と言ってくださって。まさか私の名前が出るとは思いもしませんでした。
それがきっかけで、伯山さんとラジオのラリーが行われるようになって。できれば、ゲストで来ていただけたらとスタッフの方にお願いしたら、半年ぐらいして本当に実現しました。伯山さんはガチャピンや私のことを全部調べてくれていて本当に感動しました。その後も伯山さんはラジオで私のことを「アンジーは俺の妹」とも言ってくださいました。
私にとって大きな出来事は昨年4月です。伯山さんが新型コロナに感染して「問わず語り」に1回だけ代役を立てることになったんです。まさかでしたが、「俺たちができることは下の世代を引っ張ることだから」と私にお声がけいただいて。
機会をつくってもらえたから期待に応えなきゃと必死で30分しゃべりました。すると、放送を聴いた伯山さんがすぐに「完璧な放送でした。新たなラジオスターの誕生」とメッセージをくださいました。
伯山さんはその後ご自身のラジオでも「すばらしい放送回だった」と言ってくださり、「アンジーって誰だ」と私の名前がバッと広がったんです。
神田伯山さんには本当に感謝しています。
(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)