ジャニーズ性加害問題「CM打ち切り」ドミノ、20年間続くTV局の“右へ倣え体質”が被害拡大につながった
具体性を欠くアリバイ作りのコメントばかり
一方、11日放送の「クローズアップ現代」(NHK)では、“マスコミの沈黙”について取り上げたが、桑子真帆アナ(36)も「今後は、所属事務所の人権を尊重する姿勢なども考慮して、出演者の起用を検討したいと考えております」と局の公式見解のフリップを出して、再び読み上げた。
「各局とも“人権重視”で“事務所の対応を注視”するという何の具体性もないコメントを横並びで出していますが、単なるアリバイ作りですよ。スポンサー企業のジャニタレ起用からの撤退が続く中、各局とも様子見している状態です。どこか一局でも、特にNHKあたりが、起用に慎重姿勢を示したりすれば、雪崩を打って潮目は変わるでしょうね」(民放キー局関係者)
■「文春裁判」も全局がスルー
こうしたテレビ局の“右へ倣え体質”は昔も今も変わらず。20年前の「文春裁判」の判決確定の際、日刊ゲンダイは、2004年2月28日付紙面で「ジャニーズのセクハラ裁判をほおかむりするテレビ局の腰砕けぶり」の見出しで、芸能評論家の肥留間正明氏(今年2月に逝去)の「芸能界でホモセクハラが裁判になったのは異例。真実と認められたのも初めてで、これは社会的な事件」というコメントとともに報じたが、テレビ局は完全スルー。
この“右へ倣え”のスタンスが被害の拡大につながったことをテレビは猛省して自己検証すべきだ。