流行語大賞から「芸人の一発ギャグ」が消えたワケ…ブルゾンちえみ「35億」トップ10入りが最後
誰もが知る国民的ギャグが生まれにくくなっている
17年以降は、NHK「チコちゃんに叱られる!」の「ボーっと生きてんじゃねーよ!」(18年)、芸人・ヒロシの「ソロキャンプ」(20年)などがトップ10入りを果たしているものの、芸人の純粋な一発ギャグのフレーズは登場していない。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。
「ここ数年の傾向ですけど、一発屋と呼ばれる芸人が減っている印象はありますね。背景にはやはりテレビの影響力の低下があると思います。かつては老若男女がテレビを見ていて、芸人のギャグが多くの国民に浸透していきました。ネタ番組も高い視聴率をとっていて、社会的な影響力も高かった。
しかし今は、YouTubeやTikTokなど、メディアも分散しているので、誰もが知っている国民的ギャグとかネタは生まれにくくなってるんじゃないでしょうか。世代間のギャップも大きくて、テレビでは芸人たちは多数活躍していますが、大流行するようなギャグが生まれるには至っていませんね」
確かに今年ノミネートされた中学生6人組のユーチューバー「ちょんまげ小僧」のメンバーによる「ひき肉です」などは、中高年世代にはチンプンカンプンだろう。誰もが知る芸人のギャグの減少傾向は、いささか寂しい気もするが、それも時代の趨勢か。