「M-1アナザーストーリー」に見る令和ロマンとヤ―レンズ“成功への軌跡” ライブで切磋琢磨し一躍有名に
M-1王者の多くは見た目も特徴的
「テクニックでやろうとしてたイメージが僕はあったんですね。だけど、ちゃんと人間のパワーでやり出しましたね」
ヤーレンズの変化についてこう語るのは、同じ事務所の先輩であるトム・ブラウンの布川ひろきだ。「衣装、もっと変なほうがいいって」と言っても聞かなかったヤーレンズ・楢原真樹が、2021年あたりから布川のアドバイスに耳を傾けるようになったという。
翌2022年、ベッカムヘア、裾の短いジャケットという現在のコミカルなスタイルでM-1に出場。初の準決勝へと駒を進めた。実は布川もオードリー・若林正恭からロン毛にするよう勧められ、2018年のM-1ファイナリストになった背景がある。
2019年のミルクボーイ・内海崇はダブルのスーツに角刈り、2021年の錦鯉・長谷川雅紀は白いスーツにスキンヘッド。振り返れば、歴代のM-1王者の多くは見た目も特徴的だ。令和ロマン・くるまも、髪を伸ばし眼鏡をかけてから怪しい空気をまとい始めたように思う。
番組を通して、ネタの面白さ、舞台での経験値と同様に、髪形や衣装によるキャラクター強化もまた会場ウケや大会の結果につながることを改めて痛感した。
(鈴木旭/お笑い研究家)