「刹那に生きる」ヒャダインの根底には「絶望と破壊願望」がある
京大に入学すると、受験合格を目標にしていたため、燃え尽き症候群のようになってしまい、バイトの方が楽しくなってしまう。バイトに熱中しているうちに就職活動に出遅れ、「人生詰んだ」(同前)とまた絶望。「学生にしかできないことやっとこう」と、ニューヨークを長期旅行すると、帰国予定の前日に9.11テロが起き、足止めを食らった。そこで人生を見つめ直し、好きな音楽で生きていくことを決意したのだ。
そんな経験からか「僕の根底には絶望と破滅願望がある」(フジテレビ系「ボクらの時代」15年6月21日)と彼は言う。一方でネット投稿によって火が付き、脚光を浴びるなど、思いもよらぬ売れ方や展開をしている。だから「5年後を考えたことも一度もないので、せいぜい考えることができて今年の12月まで」「計画的に生きることができないので、刹那に生きている」(テレビ朝日ミュージック「MUSiC FACTORY TOKYO」15年2月23日)のだという。
楽曲をつくる際も、そんな意識で作っている。「永代まで残る曲をつくろうとつゆとも思ってない」と彼はキッパリ言い放つ。
「刹那、刹那で、その時代を華やかにできればいいかなぐらいにしか思ってなくて。だから、読み捨てられても全然平気」(テレビ朝日系「夜の巷を徘徊する」17年11月16日)
それゆえ、逆に「今」の時代に深く刺さっているに違いない。