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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

岐路に立つTVドラマ…「ふてほど」ギャラクシー賞2部門受賞と「SHOGUN 将軍」世界ヒットの暗示

公開日: 更新日:

話題になるのは配信ドラマばかり

 とはいえ、ドラマが見られていないかというとそうではなく、最近、話題になるのはテレビドラマよりもむしろ配信ドラマだ。この上期でいえばディズニープラスで独占配信中の「SHOGUN 将軍」だろう。原作はジェームズ・クラヴェルの同名小説で「トップガン マーヴェリック」の原案者が製作総指揮、真田広之(写真)がプロデュース、主演を務める。

 とにかく壮大なスケールで臨場感もさることながらセットや衣装、甲冑や鎧、小道具の細部にまで忠実に再現。長きにわたって日本の時代劇を支えてきた職人や経験豊かなスタッフを投入、妥協なしに描かれた「ホンモノの日本」がそこにある。

 制作費削減で合戦シーンもショボいチマチマ時代劇に慣らされているからか、これまでに見たこともない映像の迫力に圧倒されてしまった。吉井虎永役の真田広之の安定感はいうまでもなく所作の美しさはもちろん、普段より低めの声で話すセリフにも迫力があった。

 真田はハリウッドに拠点を移して以来、映画やドラマでの誤った日本の描かれ方に対し、物申してきたという。そのたまもののようなドラマだ。

「将軍」は、世界中で大ヒット、日本でも大きな話題となっている。昨年の「サンクチュアリ-聖域-」や今年の「忍びの家」と話題になるのは配信ドラマばかり。ドラマ制作者はまさに岐路に立たされている。

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